夫が支払うと約束した金額の婚姻費用を支払ってもらえる?

婚姻費用に関するQ&A

婚姻費用に関するQ&A

夫が支払うと約束した金額の婚姻費用を支払ってもらえる?

Question

婚姻費用分担金の額を調停や審判手続で決める場合、司法研究報告書第70輯第2号「養育費、婚姻費用の算定に関する実証的研究」が提案する改定標準算定方式(令和元年版)に基づいて金額を算出するのが通常です。

では、夫婦で話し合った上で婚姻費用の額を決めた場合、夫婦間で決めたとおりに婚姻費用を支払ってもらえるのでしょうか。

Answer

婚姻費用については、夫婦が合意して取り決めることが当然に許容されています。
そのため、婚姻費用に関する合意が有効に成立しているといえる場合には、夫婦で決めた婚姻費用分担額を支払ってもらえることになります。

もっとも、実務的には、婚姻費用に関する合意が成立したかどうか争われた場合において、夫婦間の話合いによって婚姻費用の確定的な合意が成立したと認定される事案は多くはなく、以下のような場合を除いて確定的な合意はなかなか認定されづらい傾向にあります。

・婚姻費用分担額及び婚姻費用を支払うべき期間を記載した書面を作成した場合
・義務者と権利者が婚姻費用に関する具体的な協議を行った上で義務者が権利者に対し当該協議の結果どおりに婚姻費用を長期間支払っている場合

上記傾向を前提にすると、夫婦間で婚姻費用の金額を決めようとする場合には、婚姻費用分担額及び支払期間を記載した合意書を作成しておくことが不可欠といえます。


合意に基づき婚姻費用を請求する場合に問題となる「婚姻費用の確定的合意の認定」について、より詳しくお知りになりたい方は以下をご覧ください。

1 確定的な合意とは?

1.1 合意の効力の争われ方

夫婦で話し合ったとおりに婚姻費用を支払ってもらえるのであれば問題は生じません。

しかし、妻側は夫婦間で婚姻費用の合意ができたと認識している一方で、夫側にはその認識がないということは珍しくありません。
とくに合意書等の書面が作成されていない場合には、「合意が成立していない。」として争われやすい傾向にあります。

なお、「合意が成立していない」という争われ方のほかに、主として「合意が成立したが、合意手続に瑕疵があるため無効である。」、「合意内容に瑕疵があり無効である。」との争われ方などもあります。

1.2 確定的な合意の成立

まず、前提として、婚姻費用の合意は契約の一種であるところ、契約は原則として申込みと承諾により成立します(民法第522条第1項)。
そのため、「婚姻費用を月額〇万円支払って。」、「わかった。」とのやり取りがあれば契約が成立しており、当該契約に基づき婚姻費用を請求可能なようにも思われます。

しかし、法的に契約が成立するためには合意が確定的なものである必要があるところ、上記確定性は、①合意内容の確定性と②合意の終局性から判断されると考えられています(中田裕康『契約法〔新版〕』(有斐閣、2022年)99頁以下参照。論者毎に具体的な表現は異なるものの、おおよそ上記①及び②を要件ないし判断要素とした上で契約の成立を認定するのが一般的です。)。

そのため、婚姻費用の確定的な合意が成立したというためにも、①合意内容の確定性と②合意の終局性が必要となります。

そして、婚姻費用の合意はその金額及び支払期間をその本質的要素とするところ、①合意内容の確定性を肯定するには金額及び支払期間がともに確定している必要があります。
また、婚姻費用は、「資産、収入その他一切の事情を考慮」(民法第760条)して金額等を決めるべきものであることに照らすと、②合意の終局性を肯定するには夫婦間の真摯な協議を経て金額等が決定される必要があります。

実際、「2 裁判例の検討」で触れている裁判例でも上記①又は②のいずれか一方を欠くときは婚姻費用の確定的な合意が認定されていないと考えて矛盾はありません。

2 裁判例の分析

2.1 合意の成立を認めた裁判例

㋑についてはクリックすると開きます。

㋐東京地判平成30年4月20日(平成28年(ワ)第31907号)

権利者が作成した「1 夫Yと妻Xは当分の間別居することとし、両者間の未成年の長男A(H21.○.○生)とB(H23.○.○)をXが監護養育すること及び別居に伴う婚姻費用の分担等について次の通りに合意します。2 Yは、Xに対し、平成28年7月25日から別居解消または婚姻解消の日まで、毎月25日(当該日が金融機関の休業日に当たるときは翌営業日とする)に月額給与の70%(被告が署名押印した時点で、この記載に続けて括弧書きで「最低35万」と付記されていたかどうかについては争いがある。)をXの指定する金融機関の預金口座に振り込んで支払う。手数料はYの負担とする。」との記載がある合意書に、義務者が署名捺印した事案について、東京地判平成30年4月20日(平成28年(ワ)第31907号)は、義務者が署名捺印した時点で上記書面に「最低35万」と付記されていたことを認定した上、「被告が本件合意書に署名押印したことにより、被告が原告に対して婚姻費用として月額35万円を支払う旨の合意をしたと認めることができる。(2)この点、被告は、本件合意書は、公正証書の下書きの趣旨で作成したものであって確定的な合意をしたものではないと主張するが、公正証書の下書きの趣旨であっても、本件合意書の内容について原告被告間で意思の合致があったのであり、同合意を公正証書にするには至らなかったとしても合意自体がなかったことになるわけではないから、被告の上記主張は理由がない。また、被告は、本件合意書作成時に、原告から公正証書作成時に合意内容を変更することも可能である旨告げられたと主張するが、原告はこれを否認しているところ、このような事実を裏付ける的確な証拠はない。したがって、被告のこの点の主張も採用できない。」として、婚姻費用に関する合意の成立を認める。

上記裁判例は、金額が「月額給与の70%(最低35万円)」、期間が「平成28年7月25日から別居解消または婚姻解消の日まで」と確定しているため①合意内容の確定性を認め、合意書への署名捺印という契約プロセスの最終段階では夫婦間の真摯な協議を経ているのが通常であるため②合意の終局性を認めたものと解することが可能です。

㋑東京地判平成29年7月4日(平成28年(ワ)第32051号)

義務者が、別居直後に権利者から月額20万円を振り込むように求められたのに対し、生活費として20万円を給料日に振り込む旨を言明した上、実際に38か月にわたり毎月25日(給料日は毎月28日)までに月額20万円の婚姻費用を支払った事案について、東京地判平成29年7月4日(平成28年(ワ)第32051号)は、義務者が婚姻費用の支払開始後も月額20万円を婚姻費用として支払うことを前提にそれ以外の請求を受けることは避けたいなどと述べていた事実を考慮した上、「当事者間の協議又は調停若しくは審判によって変更がされない限り、被告が原告に対して婚姻費用として月額20万円を、別居解消又は離婚に至るまでの間、毎月28日までに支払うとの合意(本件合意)が成立したと認めるのが相当である。」として婚姻費用に関する合意を認める。

上記裁判例は、義務者が権利者に対し38か月という長期にわたり月額20万円を生活費として支払ったこと及び義務者が婚姻費用の支払開始後も月額20万円の支払いに応じる意思を表明し何ら異議を述べなかったことを考慮した上で、別居直後の当事者間の約束に①合意内容の確定性及び②合意の終局性を認めたものと解することができます(なお、算定表によれば標準的な婚姻費用は月額16万円ないし18万円の枠の上位に位置付けられる事案でした。)。

2.2 合意の成立を認めた裁判例

㋓~㋖についてはクリックすると開きます。

㋒東京地判平成16年12月27日(平成15年(タ)509号、平成16年(タ)第351号)

義務者名で権利者用賃貸住宅を借り受けることを前提として、義務者が権利者に対し今後の賃貸借契約等で生じる諸経費及び生活立ち上げの費用として、100万円を手渡し、月々の家賃及び生活費として月額30万円を支払う旨約した上で1年以上にわたりこれらの支払いを行った事案について、東京地判平成16年12月27日(平成15年(タ)第509号 ・ 平成16年(タ)第351号)は、「当面の婚姻費用の支払いの合意があったのみであるから、離婚成立時まで継続的に40万円を支払う旨の確定的な合意があったとは解されない。」として、婚姻費用に関する合意の成立を否定。

上記裁判例は、期間が「別居解消又は離婚成立に至るまで」と確定しているとはいえないとして、①合意内容の確定性を否定したもの(期間を「当面の間」とする婚姻費用の確定性のみを肯定したものともいえる。)と解することができます。

㋓東京地判平成25年5月30日(平成24年(ワ)第16503号)

義務者が権利者に対し断続的にではあるが約6年間にわたって月額10万円(合計612万円)を送金した上、義務者が権利者へ振込みをしていないことへの謝罪をしたり、「今日、8月、9月分の20万入れました。」と記載したファックスを送信するなどしていた事案について、東京地判平成25年5月30日(平成24年(ワ)第16503号)は、「(2)しかしながら、被告は、本件合意の存在につき、明確に否定する陳述ないし供述をしている。そして、被告は、①原告が困窮してはかわいそうだという気持ちがあったので可能な範囲で原告に送金していたにすぎないこと、②被告から原告へのファックスに謝罪文言があるのは、だんだん毎月10万円を支払うような習慣になっていったにすぎないからである旨供述し、確かに被告の謝罪文言が認められるのは、本件別居から約2年が経過した平成17年12月のファックスが最初であり、それ以前にも、被告は原告への振込みを何度も怠っていたにもかかわらず、謝罪していたような形跡は見当たらないこと、③被告は、被告のファックスに同人の振込金について『8月分』というような記載があるのは、被告が送金した金員は、原告のマンションの家賃に充てられるのだろうという認識があったからである旨陳述していること、加えて④上記1(1)及び(2)で認定した当時の被告の経済的困窮状況からすれば、毎月10万円を支払うと確定的に約束するかという疑問があること等を考慮すると、原告の本件合意の存在についての陳述等を直ちに採用することはできない。そして、他に、本件合意を認めるに足りる的確な証拠はない。(3)また、仮に、被告が、平成15年10月の本件別居のころに、原告に対して、毎月10万円を支払う旨を言ったことがあったとしても、当該発言をもって、婚姻費用として、原告及び被告の別居解消又は離婚成立に至るまで、継続的に支払う趣旨で発言したかは、甚だ疑問であると言わざるを得ない。そして、被告は、原告に対し、平成15年11月以降、既に総額612万円を支払っていること(上記1(4))からすれば、当該発言を根拠としては、被告において、さらに上記金員以上の支払義務があるとは認められないと言わざるを得ない。」として、婚姻費用に関する合意の成立を否定。

上記裁判例は、約6年間にわたり義務者が権利者へ毎月10万円ずつを支払う習慣となっていた場合でも、必ずしも金額が確定していたとはいえない上、期間が「別居解消又は離婚成立に至るまで」と確定しているとはいえないとして、①合意内容の確定性を否定したものと解することができます。

㋔東京地判平成29年7月10日(平成28年(ワ)第16791号)

権利者が義務者に対し「別居に伴い、本年5月分から、毎月給与入金日に20万円、6月のボーナス入金日には更に100万円を、婚姻費用の分担の趣旨に従い、」、「約束通り、下記口座に銀行振込みして下さい。」との記載した手紙を送付したものの、義務者が、権利者に対しその内容について異議を述べることはせず、また権利者が義務者名義の預金口座から上記手紙の記載どおりに預金を引き出していることを認識しながら明確な意義を述べなかった事案について、東京地判平成29年7月10日(平成28年(ワ)第16791号)は、「本件において、平成25年5月からの別居の開始に当たり、原告と被告との間で、本件支払合意の内容、つまり、支払額や支払方法、支払期間等について、夫婦の資産、収入及び今後の長女の監護状況等を踏まえて、具体的な話合いがなされたことや、被告が本件手紙の記載内容を積極的に承諾したことを認めるに足りる証拠はない。この点に関し、原告は、本人尋問において、別居の開始に先立ち、平成25年5月13日、原告が被告に対して月々の20万円及び毎年6月の100万円の支払を求めたのに対し、被告は、『もう分かったよ、あなたの言った金額を払うから、払うから。』、『だから払えばいいんでしょう。』などと言った旨供述し、かかるやり取りをもって、本件支払合意が成立した旨主張する。しかしながら、仮に、原告と被告の間でそのようなやり取りがあったとしても、前記2(1)の別居に至る経緯及びその当時の原告と被告との婚姻関係の状況等に照らせば、平成25年5月13日当時、被告は、原告との婚姻関係修復を望んでいたことから、ひとまずその場を収めるために原告の言い分を受け入れるかのような言動をとったものと理解するのが合理的である。そのため、被告の前記言動をもって、原告による本件支払合意の申入れに対する被告からの明示的な承諾と認めることまではできない。また、原告は、本件手紙の記載内容について被告から異議等が一切述べられなかったことは正に本件支払合意があったことの証左であるなどとも主張する。しかしながら、前記同様、本件手紙の送付を受けた当時、被告は、原告との婚姻関係の修復を望んでいたため、原告を刺激する言動をとって原告との婚姻関係を悪化させることを避けたいとの思いから、あえて異議を述べなかったとの被告の供述にも相応の合理性があるものと認められる。そのため、被告が本件手紙の記載内容について異議等述べなかったことをもって、本件支払合意があったと認めることまではできない。以上からすれば、本件において、明示の本件支払合意が成立したと認めることはできない。」として婚姻費用に関する明示の合意を否定。

また、間接事実による合意の推認に関しては、権利者が義務者へ婚姻費用を請求した後に請求額と同額を義務者の預金口座から引き出していることについて、義務者がこれを認識しながら明確に異議を述べず、かえって請求額と同額を権利者へ支払った事実があっても、これらの事実をもって婚姻費用に関する合意を推認することは出来ないと判断。

記裁判例は、仮に義務者と権利者が婚姻費用の金額を約束したり義務者が権利者の請求を黙認していたとしても、夫婦の資産、収入などを踏まえた具体的かつ真摯な協議が存在しない、又は義務者が単に権利者との婚姻関係修復ないし円満な離婚成立のために預金引出し行為を黙認したり婚姻費用相当額の支払いを行っていたにすぎないとして、②合意の終局性を否定するものと解することができます。

㋕札幌家審平成30年8月17日(平成30年(家)第15号)

義務者が権利者に対し「振り込む金額はこちらがきめていいですか?」、「精査して振込ます」、「今日お金振込ました。カードとかの支払あるけどとりあえず18万。」(原文ママ)とのメールを送信した上で2か月間にわたり婚姻費用として月額18万円を支払ったが、それ以降は婚姻費用として月額10万円を支払っているという事案について、札幌家審平成30年8月17日(平成30年(家)第15号)は、「申立人は、申立人が平成29年4月29日に相手方に対し婚姻費用を18万円とする申込みをし、相手方が同年5月及び6月に申立人に対し婚姻費用として月額18万円を支払って上記申込みを承諾したことにより、当事者間に婚姻費用を月額18万円とする合意が成立したと主張する。しかし、相手方が申立人に送信した婚姻費用に関するメールの内容からは、相手方が確定的な合意に基づいて、あるいはそのような合意をする趣旨で18万円を支払ったとみることはできず、他に婚姻費用について確定的な合意が成立したと認めるに足りる資料はない。」として、婚姻費用に関する合意の成立を否定。

上記裁判例は、義務者と権利者が婚姻費用額を18万円とする協議を行った上、義務者が権利者に対し2か月間にわたり18万円を支払った事実があるとしても、当該事実をもって婚姻費用額が確定しているとはいえないとして、①合意内容の確定性を否定するものと解することができます。

㋖東京地判令和2年11月5日(令和2年(ワ)第4455号)

義務者が権利者に対し別居後4か月にわたって月額17万5000円を支払った事案について、東京地判令和2年11月5日(令和2年(ワ)第4455号)は、「確かに、(中略)、それ以前は17万5000円を支払う約束がされていたと解する余地があることからすると、被告が原告に対して上記約束をしていたことが推認される。しかしながら、上記約束をするに当たって、原告と被告との間で、夫婦の資産、収入などを踏まえて具体的に婚姻費用分担金の金額について真摯な協議をしていた事情を認めることはできない。被告が上記支払をしていたのは、原告や原告の両親との円満な生活のために、単に支払うことができる金額の支払をしていただけにすぎないともいえる。そうすると、婚姻費用の支払に関する合意が成立していたと評価することはできない。原告の上記主張は、採用することができない。」として婚姻費用に関する合意の成立を否定。

また、上記事案は、別居後5か月目に、義務者と権利者が、権利者の父母同席の下で、離婚調停の成立まで月額14万5000円を支払う旨の約束をした事案でもあったが、当該約束についても真摯な協議をしたとは認められないことを理由に婚姻費用に関する合意の成立を否定。

上記裁判例は、義務者と権利者が婚姻費用の金額を約束したとしても、上記約束にあたり夫婦の資産、収入などを踏まえて具体的に婚姻費用分担金の金額について真摯な協議をしていたとは認められないとして、②合意の終局性を否定するものと解することができます。

2.3 裁判例の分析

契約の成立要件に照らすと、婚姻費用の合意が確定的に成立したというためには、①金額及び支払期間がともに決まっており合意内容が確定したといえること、及び、②夫婦間の真摯な協議を経て金額等が決定しており合意に終局性が存在することが必要であると考えることが可能です。

裁判例上、婚姻費用の確定的な合意が認定されているのは、婚姻費用額及び婚姻費用を支払うべき期間を記載した書面を作成した場合(上記㋐)及び義務者と権利者が婚姻費用に関する具体的な協議を行った上で義務者が権利者に対し当該協議の結果どおりに婚姻費用を長期間支払っている場合(上記㋑)であるところ、裁判例も上記①及び②により婚姻費用の合意の存否を判断していると理解して矛盾はありません。

また、そもそも別居後の夫婦間において金員の授受がある場合、通常、事前に何らかの協議が存在するはずです。

しかし、事前に協議を行った上で金員の授受が行われたとしても、合意に関する書面が存在するか又は具体的な協議の結果どおりに長期間金員が授受された事情がない限り、①合意内容の確定性又は②合意の終局性が否定されるのが現在の裁判実務といえます(上記㋒~㋖)。

3 裁判例を踏まえた実際の対応

上記裁判例(㋐~㋖)を前提にすると、夫婦間での合意に基づき婚姻費用を請求しようとするには、「婚姻費用額及び婚姻費用を支払うべき期間を記載した書面を作成する」または「義務者と権利者が婚姻費用に関する具体的な協議を行った上で義務者が権利者に対し当該協議の結果どおりに婚姻費用を長期間支払っている」のいずれかの状況となっていることが重要です。

このうち後者は「義務者側が婚姻費用を長期間継続して支払う」という権利者側でコントロールできない事情に左右されるところ、配偶者に対し婚姻費用を請求しようとする場合には前者の「婚姻費用額及び婚姻費用を支払うべき期間を記載した書面を作成する」という形で対応すべきといえます。


※本記事では婚姻費用の確定的合意の認定に関するポイントをご紹介いたしました。
しかし、実際の事案では個別具体的な事情により法的判断や取るべき対応が異なることがあります。

そこで、婚姻費用の合意についてお悩みの方は、本記事の内容だけで判断せず弁護士の法律相談をご利用いただくことをお勧めします。